「バンド」という言葉を聞いて多くの人が想像する、ギター/ベース/ドラムの編成。
SAICOBABは、その想像を気持ちよく裏切ってきます。
- シタールが前線に出て
- ガムラン由来の身体的パーカッションがうねり
- そこに**YoshimiO(Boredoms/OOIOO)**の声が、跳ねて、歪んで、儀式みたいに踊りだす。
結果として鳴っているのは、ロックでも民族音楽でも、電子音楽でもない。
でも全部が混ざっている。
このバンドの説明で頻出するのが「ラーガ(旋律)」「ターラ(拍子)」。そして近作では「DANCE」。
要するにSAICOBABは、**古層の音楽フォーマットを現代の身体感覚に“再コンパイル”**している集団です。
この記事では、初見の人でも迷子にならないように
- SAICOBABの基本情報(メンバー/由来/ディスコグラフィ)
- 音の特徴(何が“ヤバい”のかを言語化)
- 海外での評価(レビュー/メタスコア等)
- まず聴くべき曲と、YouTube埋め込み
- CD/LPの買い方(Amazonアフィリ導線)
まで、ひとつの記事で完結させます。
SAICOBABのプロフィール:メンバーと成り立ち
SAICOBABは、日本のバンドで、中心人物は
- YoshimiO(Boredoms/OOIOO)
- Yoshida Daikiti(シタール奏者・製作家)
- Motoyuki “Hama” Hamamoto(ガムラン/パーカッション)
などで構成される、と紹介されています。
またBandcampの作品説明では、(少なくとも『SAB SE PURANI BAB』期の)カルテットとして
**YoshimiO(vo)/Yoshida Daikiti(sitar)/Akita Goldman(bass)/Hama(perc, gamelan)**が明記されています。
バンド名の意味については、日本の流通・紹介文で「最古の赤ちゃん」という説明が出ています。
(この“幼さ”のイメージは、音の実態と面白い対比になります。演奏はむしろ古代的で、強く、過剰です。)
何が独特? SAICOBABの音を「わかる言葉」に翻訳する
SAICOBABの音を一言で言うなら、
“現代の地下(アンダーグラウンド)から出てきた、儀式性のあるダンス・ミュージック”
です。しかも、四つ打ちやベースドロップで踊らせるのではなく、
拍子(ターラ)のズレ/反復の催眠性/声とシタールの絡まりで身体を持っていくタイプ。
1) シタールが“装飾”じゃなく“主役”である
多くのロック文脈でシタールは「異国情緒のスパイス」になりがちですが、SAICOBABでは逆。
シタールのフレーズが**曲の骨格(リード・メロディ兼リズム装置)**になっていて、そこに声と打楽器が絡みつきます。
2) YoshimiOの声が“歌”というより“身体運動”になっている
YoshimiOはBoredoms/OOIOOで知られますが、ここでも「歌唱の上手さ」で魅せるというより、
跳ねる、裂ける、踊る、煽る。声がリズムと同一化していきます。
3) “現代ラーガ”としての強度
Bandcampの紹介文では、伝統的なインド音楽のフォームを踏まえつつ、予想外のリズムとメロディで「distinct modern ragas」を作る、と書かれています。
つまり“民族っぽい何か”ではなく、形式としてのラーガを現代的に更新している。
まず押さえるべき2作品:ディスコグラフィ入門
SAICOBABは少なくとも、以下の2作品が入口として強いです。
① 『SAB SE PURANI BAB』(2017)
2017年作。国内ニュースでもアルバムリリースが報じられています。
Metacriticでは批評家レビューを集計して Metascore 78(Generally favorable) と表示されています。
Exclaim!のレビューでは、長尺曲で構成されつつも「infectious」「never dull」といったトーンで評価されています。
② 『NRTYA』(2024)
2024年のアルバムで、タイトルの「NRTYA」はサンスクリットで「DANCE」と説明されています。
ヨシダダイキチの公式ページでも、NEW Album ‘NRTYA’ として、Thrill Jockey(米レーベル)やBandcamp導線が掲載されています。
KLOFMAGのレビューは、SAICOBABを「four-headed beast」と形容し、予測不能な展開を“スペクタクル”として肯定的に捉えています。
海外の評価
海外レビューは、単に「エキゾで面白い」ではなく、構造としての強度を褒める傾向があります。
- KLOFMAG(2024 / NRTYA)
“予想外を見せながら、メロディで導く即時性がある”という趣旨で、技巧倒れではなく“引力”がある点に言及。 - Exclaim!(2017 / SAB SE PURANI BAB)
“アナーキーだが精神性のあるサイケ実験ラーガ”というニュアンスで、退屈しない感染力を評価。 - Metacritic(2017)
批評家スコアとして 78 を記録(好意的なレビューが中心)。
一方で、全員が手放しで礼賛しているわけではなく、
LouderSound(2017)のレビューは、コンセプトやマニフェスト的言説と実際の音のギャップに触れています。
この“賛否”自体が、SAICOBABの特殊性を物語っているとも言えます。
まず聴くならこのYouTube
1) 『Sab Se Purani Bab』フルアルバム(入口に最適)
(フルで浴びると、反復の“酔い”がわかります)
2) “Naa Ra Naa”(代表曲の一つ)
3) ライブ(Los Angeles / 2019):音源より“身体性”が伝わる
“よくある質問
Q1. SAICOBABはロック?民族音楽?どっち?
どっちでもあり、どっちでもありません。
構造としては“現代ラーガ”に寄っているけど、出音のエネルギーは地下ロック/実験音楽の文脈を強く引いています。
Q2. どのアルバムから入るべき?
- “古典的な異形”を浴びるなら 『SAB SE PURANI BAB』
- “踊れる現代形”で入るなら 『NRTYA』
この2択が失敗しません。
Q3. 近作『NRTYA』の方向性は?
タイトルの通り「DANCE」へ寄った説明がされており、国内外の流通紹介でも“ダンスバンド”と表現されています。
ただし一般的なクラブ・ミュージックとは違い、奇妙に歪んだ踊りの方に寄ります。
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