1977年に発表された、高田真樹子のセカンドアルバム**『不機嫌な天使』**。
現在ではシティポップ、ライトメロウ、和モノの文脈から再発見されることも多い作品です。
中古レコード専門店の資料を確認すると、村上“ポンタ”秀一、高中正義、大村憲司、岡沢章、小原礼、林立夫、後藤次利、高橋ユキヒロ、ミッキー吉野、林哲司、星勝など、1970年代以降の日本のポップス/ロックを支えた多数のミュージシャンが参加した作品として紹介されています。
しかし、このアルバムの面白さは「参加メンバーが豪華」というだけではありません。
フォーク、ニューミュージック、歌謡曲、ロック、そして後にシティポップと呼ばれることになる都会的なサウンドが、一枚のLPの中で自然に混ざり合っています。
この記事では、
- 『不機嫌な天使』の基本情報
- 全10曲の収録曲
- 全曲レビュー
- 注目したい参加ミュージシャン
- シティポップとして再評価される理由
- 初めて聴くならおすすめしたい曲
- 中古LP購入時の注意点
までまとめます。
※楽曲レビュー部分は、作品を聴いたうえでの筆者個人の感想・解釈です。発売年・品番・曲順・参加メンバーなどの客観情報については、複数の中古レコード専門店・音楽資料を照合しています。
高田真樹子『不機嫌な天使』基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| アーティスト | 高田真樹子 |
| タイトル | 不機嫌な天使 |
| 発売年 | 1977年 |
| レーベル | KITTY |
| 規格番号 | MKF-1011 |
| フォーマット | LP |
| 位置づけ | セカンドアルバム |
| 収録曲数 | 全10曲 |
Groovenut RecordsやFanFanなど複数の中古盤資料で、1977年、KITTY、MKF-1011、全10曲という基本情報が確認できます。帯・歌詞カード/インサート付きの中古盤も流通しています。
『不機嫌な天使』収録曲一覧
SIDE A
- 不機嫌な天使
- しおどき
- 酔いまかせ
- 昨日の夢に腰かけて
- 終止符
SIDE B
- 送り風
- 冷えた汗
- 憂鬱電話
- 熱い刻
- めぐり逢い
この曲順は複数のレコード専門店で一致しています。
全曲レビュー
1.不機嫌な天使
アルバムのタイトル曲です。
最初に耳を引くのは、やはり**「不機嫌な天使」**というタイトル。
「天使」という柔らかく無垢なイメージと、「不機嫌」という生々しい感情が同居しています。
この組み合わせが、そのままアルバム全体の性格を表しているように感じます。
高田真樹子の歌声は甘さだけではありません。
少し低めで落ち着いたトーンがあり、そこに大人っぽさや翳りが加わります。
中古レコード専門店では、このタイトル曲は星勝の編曲作品として紹介されています。
華やかすぎず、暗すぎない。
アルバムの入口として、この作品の温度をうまく伝える一曲です。
2.しおどき
個人的に、初めて『不機嫌な天使』を聴く人へ強くおすすめしたい一曲です。
「潮時」という言葉には、
「そろそろ終わらせるべきかもしれない」
という、大人特有の冷静さがあります。
感情を爆発させるのではなく、少し距離を置いて自分の恋愛を見るような雰囲気があります。
現在の中古盤専門店でも、林哲司のアレンジによるライトメロウ/シティポップ的な楽曲として取り上げられています。
1977年の曲ですが、現在のシティポップ好きが聴いても入りやすい一曲です。
3.酔いまかせ
「酔いまかせ」というタイトルから、夜、お酒、そして少し曖昧になった感情を想像します。
昼間には言えないこと。
素面なら隠してしまうこと。
お酒の力を借りれば少しだけ言えること。
そんな大人の夜を思わせる曲です。
資料では、「しおどき」「憂鬱電話」とともに林哲司が関わった作品として紹介されています。
「しおどき」の洗練された印象とは少し違い、こちらには歌謡曲的な親しみやすさも感じます。
4.昨日の夢に腰かけて
このアルバムの中でも、特に印象的なタイトルです。
「昨日の夢に腰かける」
という表現には、過去を完全に捨てられず、かといってそこへ戻れるわけでもないような感覚があります。
資料では星勝による作・編曲曲として紹介され、アーバン/フュージョン的なアレンジを評価する声もあります。
アルバムを最初に聴いたときより、何度か繰り返して聴いたときに魅力が増してくるタイプの曲です。
「派手な名曲」ではなく、後から残る曲。
そんな印象を持ちます。
5.終止符
SIDE Aを締める「終止符」。
タイトル通り、何かが終わる瞬間を連想させます。
この曲は、来生えつこ作詞・来生たかお作曲として知られ、高田真樹子が1975年にシングルとして発表した後、『不機嫌な天使』にも別バージョンが収録されたとする資料があります。
来生姉弟らしい、メロディーと言葉の美しさ。
そして、高田真樹子の少し低めの声。
その組み合わせが非常によく合います。
SIDE Aの最後に「終止符」を置くことで、一度物語が閉じるような感覚もあります。
SIDE B
6.送り風
『不機嫌な天使』の中で、現在もっともシティポップ/ライトメロウ的に注目されている曲の一つです。
Groovenut Recordsでは、村上“ポンタ”秀一のドラムブレイクから始まる小椋佳のカバーとして紹介されています。
冒頭からリズムが強い。
そこに高田真樹子の歌声が乗り、フォークソング的な楽曲が、都会的なグルーヴへ変わっています。
現在このアルバムへ興味を持った人なら、まず「送り風」を聴くという入り方でもいいでしょう。
ただし、この曲だけでアルバムを判断するのは少しもったいない。
A面から順番に聴いた後で「送り風」に入ると、
「ここで一気に空気が変わる」
というLPならではの面白さが分かります。
7.冷えた汗
「送り風」に続く「冷えた汗」。
このタイトルも強烈です。
汗という言葉には熱を感じるのに、「冷えた」が付く。
そこから、
不安、緊張、恐怖、焦り。
そんな身体感覚を連想します。
資料ではミッキー吉野が作・編曲に関わった作品として紹介されています。
シティポップという言葉だけで括るより、ロックやニューミュージックまで含めた1970年代日本のスタジオサウンドとして聴く方が面白い曲です。
8.憂鬱電話
タイトルだけで時代が見えてくる一曲です。
1977年。
もちろんスマートフォンもLINEもありません。
「電話をかける」という行為には、現在よりずっと大きな決断が必要だったはずです。
かけるのか。
待つのか。
誰からなのか。
相手は出るのか。
だからこそ「憂鬱電話」という言葉が成立します。
資料では林哲司が関わった楽曲として紹介されており、来生えつこの詞による作品との情報もあります。
時代は変わっても、
「連絡を待つ不安」
という感情そのものは、今とほとんど変わりません。
そう考えると、意外に現代的な曲でもあります。
9.熱い刻
「冷えた汗」がある一方で、こちらは「熱い刻」。
このアルバムには、
- 不機嫌
- 酔い
- 夢
- 終止符
- 冷えた汗
- 憂鬱
- 熱い刻
- めぐり逢い
と、感情や時間を連想させるタイトルが非常に多いことに気づきます。
「熱い刻」は、アルバム終盤で少し力を取り戻すような印象があります。
洗練されたシティポップだけではなく、フォークロックや歌謡曲的な要素もある。
このジャンルの混ざり方こそ、『不機嫌な天使』の面白さです。
10.めぐり逢い
アルバム最後の一曲です。
A面の最後が「終止符」。
B面の最後が「めぐり逢い」。
意図的な対比かどうかまでは資料から断定できません。
しかし、アルバムを順番に聴くと、
終わり → 新しい出会い
という物語にも感じられます。
現在の配信時代は、好きな曲だけを選んで聴くことができます。
しかし、LP時代のアルバムには、
「なぜこの曲がA面最後なのか」
「なぜこの曲でアルバムを閉じるのか」
という楽しみがあります。
『不機嫌な天使』は、ぜひ10曲を順番に聴いてほしい作品です。
『不機嫌な天使』の参加ミュージシャンが豪華
この作品について調べると、やはり制作陣の豪華さに驚きます。
複数の中古レコード専門店では、参加メンバーとして次の名前が挙げられています。
- 高中正義
- 大村憲司
- 岡沢章
- 小原礼
- 村上“ポンタ”秀一
- 浜口茂外也
- 林立夫
- 林哲司
- 後藤次利
- 高橋ユキヒロ
- 星勝
- 今井裕
- ミッキー吉野
- シンガーズ・スリー
- 高水健司
など。
Groovenut Recordsでも、村上“ポンタ”秀一、岡沢章、高中正義、大村憲司、後藤次利、羽田健太郎、ミッキー吉野らの参加が確認できます。
この顔ぶれを見ると、『不機嫌な天使』は単なる女性シンガーの歌ものアルバムではなく、
1977年の日本の一流スタジオミュージシャンの演奏を楽しめる作品
という見方もできます。
※各曲ごとの楽器担当まで掲載する場合は、オリジナル盤付属の歌詞カード/インサート記載クレジットを一次資料として最終確認するのが確実です。
高田真樹子とは?
高田真樹子は、ヤマハのポピュラーソングコンテストへの出場をきっかけに注目され、1974年に『MAKIKO first』でアルバムデビュー。
『不機嫌な天使』は1977年に発表されたセカンドアルバムです。中古レコード専門店でも、その経歴とセカンドアルバムであることが確認されています。
ファースト期のシンガーソングライター色から、『不機嫌な天使』では外部作家や多数のスタジオミュージシャンを迎え、サウンドの幅が大きく広がっています。
なぜ今「シティポップ」として再評価される?
1977年当時に、現在とまったく同じ意味で「シティポップ」というジャンル名が定着していたわけではありません。
むしろ、
フォーク
ニューミュージック
歌謡曲
ロック
ソウル
フュージョン
などが混ざり合っていた時代です。
現在の中古レコード市場では、『不機嫌な天使』は「CITY POP」「LIGHT MELLOW」「和モノ」などの文脈で紹介されています。
特に、
「送り風」
「しおどき」
「憂鬱電話」
あたりは、現在のシティポップ好きにも入りやすい楽曲でしょう。
ただし、このアルバム全体を単純に「シティポップだけ」と考えると少し狭すぎます。
歌謡曲的な曲もあり、フォーク的な曲もあり、ロック的な曲もあります。
その混在こそ1977年らしさです。
初めて聴くならおすすめの3曲
送り風
まず演奏を聴いてほしい一曲。
村上“ポンタ”秀一のドラムブレイクから始まるグルーヴは、現在聴いても魅力があります。
しおどき
ライトメロウ/シティポップ寄りの曲を探している人へ。
高田真樹子の歌声と洗練されたアレンジの相性がよく、入り口として聴きやすい曲です。
不機嫌な天使
アルバムの世界観を知るならタイトル曲。
高田真樹子の声、歌謡性、少し影のある雰囲気をまとめて感じられます。
この3曲が気に入ったら、
「昨日の夢に腰かけて」→「憂鬱電話」→「冷えた汗」
へ進むのがおすすめです。
中古LPを購入するときの注意点
『不機嫌な天使』は現在も中古レコード市場で流通しています。
ただし、古いLPなので価格だけで決めないことが重要です。
盤質
確認したいのは、
- キズ
- スレ
- 反り
- ノイズ
- 針飛びの可能性
です。
「EX」「VG」など店舗独自のコンディション表示も確認しましょう。
ジャケット
レコードは盤だけでなくジャケット状態も価格へ影響します。
- シミ
- 日焼け
- 角打ち
- 底抜け
- 背割れ
- 書き込み
などを確認します。
帯の有無
国内盤では帯の有無を気にするコレクターも多く、価格差につながることがあります。
実際に『不機嫌な天使』でも、帯・インサート付きの商品が複数の専門店で確認できます。
歌詞カード・インサート
この記事のように参加ミュージシャンや制作陣まで深掘りしたい人にとって、歌詞カードやインサートは非常に重要です。
安い盤を買って後から、
「歌詞カードがなかった」
と気づかないよう、購入前に確認してください。
レコードジャケット画像の扱いについて
この記事のアイキャッチには、実際の『不機嫌な天使』のジャケット画像をそのまま転載せず、1970年代のアナログレコードをイメージしたオリジナル画像を使用しています。
アルバムジャケットは著作権で保護される可能性があるため、権利者の許諾が確認できない画像をアイキャッチの主役として転載することは避けています。
文化庁も、他人の著作物について、保護期間が終了している場合や権利制限規定に該当する場合などを除き、原則として権利者の許諾が必要と説明しています。
よくある質問
『不機嫌な天使』はシティポップのアルバムですか?
現在はシティポップ/ライトメロウの文脈で紹介されることが多い作品です。
ただしアルバム全体にはフォーク、歌謡曲、ロックなどの要素もあり、「シティポップだけ」と限定しない方が作品の面白さを理解しやすいでしょう。
一番おすすめの曲は?
グルーヴを重視するなら**「送り風」**。
ライトメロウ感なら**「しおどき」**。
アルバムの世界観なら**「不機嫌な天使」**です。
「終止符」は来生たかお作品?
資料では、来生えつこ作詞・来生たかお作曲の作品として確認できます。高田真樹子が先にシングルとして発表し、アルバムには別バージョンが収録されたとされています。
CDや配信で聴けますか?
CD・配信の状況は変更される可能性があります。
Amazon、楽天、各音楽配信サービス、中古CD・レコード専門店などで最新状況を確認してください。
中古レコードはいくらくらい?
状態、帯・歌詞カードの有無、販売店などによってかなり違います。
中古品なので「定価」はありません。
相場を判断するときは1店舗だけではなく、複数ショップの価格を比較するのがおすすめです。
まとめ|『不機嫌な天使』は1977年の日本ポップスの面白さが詰まった一枚
高田真樹子『不機嫌な天使』は、1977年発表の全10曲入りアルバムです。
「不機嫌な天使」から始まり、
「しおどき」
「酔いまかせ」
「昨日の夢に腰かけて」
「終止符」
とA面が続き、
B面では、
「送り風」
「冷えた汗」
「憂鬱電話」
「熱い刻」
「めぐり逢い」
へ進みます。
参加ミュージシャンも非常に豪華。
しかし、このアルバムを面白くしているのは、豪華な名前だけではありません。
フォークから歌謡曲へ。
歌謡曲からライトメロウへ。
ロックからシティポップへ。
ジャンルの境界がまだ柔らかかった1977年だからこそ生まれた音があります。
現在「シティポップ」という言葉からこの作品にたどり着いた人にも、一曲だけではなく、ぜひA面の1曲目からB面の最後まで聴いてみてほしいと思います。
『不機嫌な天使』は、
1970年代日本ポップスの“途中経過”そのものを楽しめる一枚
なのかもしれません。
参考・出典
以下は、リンク切れ・SSL警告が確認されたHIP TANK RECORDSを除外した参考先です。
Groovenut Records「高田真樹子 / 不機嫌な天使」
発売年、レーベル、規格番号、全10曲、参加ミュージシャン、帯・インサート等を確認。
Groovenut Recordsの商品ページを開く
FanFan「高田真樹子 / 不機嫌な天使 MKF-1011」
全10曲、1977年のセカンドアルバム、参加メンバー、帯・歌詞カード等を確認。
FanFanの商品ページを開く
おミミの恋人「不機嫌な天使 / 高田真樹子」
1977年、KITTY、MKF1011、全10曲、主な参加ミュージシャンを確認。
おミミの恋人の商品ページを開く
PASSTIME RECORDS「高田真樹子 / 不機嫌な天使」
セカンドアルバム、林哲司・星勝・ミッキー吉野らの参加、「送り風」収録などを確認。
PASSTIME RECORDSの商品ページを開く
※楽曲レビュー部分は筆者個人の感想・解釈です。
※参加ミュージシャンの各曲ごとの担当楽器まで掲載する場合は、オリジナルLP付属インサートを一次資料として確認してください。
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