「Sea Vegetable(シーベジタブル)って、どんな会社?」
「青のりを作っている会社なの?」
「海藻スタートアップとして注目されている理由は?」
そんな疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。
シーベジタブルは、単に海藻を販売している食品会社ではありません。
海藻の採取・研究、種苗づくり、陸上栽培・海面栽培、加工、商品開発、販売、料理開発、飲食体験までを一貫して行う会社です。
さらに、海藻が減少している海域の課題や地域漁業、新しい食文化づくりにも取り組んでいます。
2026年には創業10周年を迎え、東京・八重洲に初の常設飲食店「シーベジスタンド」と、海藻の料理・加工・発酵などを研究する「SEAVEGE- Kitchen Lab」を開設しました。
この記事では、2026年9月現在の公式情報をもとに、
Sea Vegetableとはどんな会社なのか、何がすごいのか、どんな商品を販売しているのか、環境問題とどう関係しているのか、上場しているのかまで分かりやすく整理します。
※本記事では、筆者が実際に食べていない商品について「レビュー」とは表現せず、公式情報をもとに商品特徴を紹介しています。
Sea Vegetable(シーベジタブル)とは?
正式名称は合同会社シーベジタブルです。
2016年に高知県で設立され、共同代表は蜂谷潤さんと友廣裕一さん。
本社は高知県安芸市にあります。
公式サイトでは、磯焼けなどによって減少している海藻を採取・研究し、環境負荷の少ない陸上栽培や海面栽培によって生産しながら、新しい海藻食文化をつくることを目指す会社と説明しています。
会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 合同会社シーベジタブル |
| 英文表記 | SEA VEGETABLE COMPANY |
| 設立 | 2016年 |
| 共同代表 | 蜂谷 潤、友廣 裕一 |
| 本社 | 高知県安芸市穴内乙688-9 |
| 主な事業 | 海藻の研究・生産・加工・販売・飲食など |
| 生産・研究地域 | 全国30か所以上(試験段階を含む) |
| 上場状況 | 未上場 |
| 公式サイト | Sea Vegetable公式サイト |
公式情報では、高知・三重・愛媛・熊本などで陸上栽培、北海道・秋田・静岡・三重・愛媛・山口・熊本などで海面栽培に取り組んでいます。
「Sea Vegetable」という名前の意味
Sea Vegetableを直訳すると、
「海の野菜」
です。
同社は採用情報の中で、
野菜のように、海藻が日常の食卓に当たり前のように並ぶ光景をつくりたい
という思いからこの名前を付けたと説明しています。
これはシーベジタブルの事業を理解するうえで重要です。
海藻を珍しい食材や健康食品として特別扱いするだけではなく、
キャベツやトマトと同じように、日常的に選べる食材にしたい
という考え方です。
日本には1,500種類以上の海藻がある
Sea Vegetableが注目しているのは、普段スーパーで見るワカメ、昆布、海苔だけではありません。
公式サイトによれば、日本の海域には1,500種類を超える海藻が生息しており、その大部分は毒を持たず、食用になり得るとされています。
しかし、日本の食卓で一般的に食べられているのは数十種類程度。
つまり、1,400種類以上が十分に活用されていない未知の食材として存在している、というのがSea Vegetableの着眼点です。
陸上では野菜や果物の品種改良、栽培方法、調理法が長年研究されてきました。
一方で、海藻にはまだ研究されていない種類が数多くあります。
この「未開拓の食材」を研究し、
育てる技術と、おいしく食べる方法の両方を開発する
のがSea Vegetableの大きな特徴です。
Sea Vegetableの事業内容は4つ
公式サイトでは、事業を大きく4分野に分けています。
| 分野 | 主な内容 |
|---|---|
| 生産・加工・販売 | 海藻の種苗、生産、加工、商品化、販売 |
| 研究開発・実証研究・海域調査 | 海藻採取、種苗技術、量産、自治体等との実証 |
| 飲食体験 | 海藻料理、飲食店、料理研究、食文化づくり |
| 新規事業・協業 | 企業・自治体との共同開発、新産業づくり |
単純に「海藻を養殖して売る」会社ではないことが分かります。
1.海藻の生産・加工・販売
Sea Vegetableでは、海藻の種づくりから商品として食卓へ届けるところまでを一貫して行っています。
研究者だけでなく、漁師、料理人、食品メーカー、小売店、飲食店などとも連携。
海藻そのものだけではなく、
「どう調理すればおいしいのか」
「どの状態で販売すると使いやすいのか」
まで含めて商品を開発しています。
2.研究開発・実証研究・海域調査
Sea Vegetableの特徴が最も分かりやすいのが研究部門です。
全国の海から母藻を採取し、その海藻から種苗をつくり、陸上または海面で栽培する技術を研究しています。
2025年12月時点の公式情報では、研究可能性のある海藻を100種類以上保管し、そのうち30種類以上について種苗生産技術を確立しています。
対象には、
アオノリ、ノリ、モズク、ヒジキ、コンブ、アオサ、トサカノリ、フノリ、ワカメ、ハバノリ、テングサ、アカモクなど、多様な海藻が含まれています。
世界初の「地下海水を使った青のり陸上栽培」
Sea Vegetableを語るうえで外せないのが、すじ青のりの陸上栽培です。
公式沿革によると、2016年に地下海水を用いた青のりの陸上栽培に世界で初めて成功したとしています。
通常の海面養殖は、
水温
潮流
海水の栄養状態
天候
台風
など自然環境の影響を大きく受けます。
陸上で環境を管理しながら栽培できれば、生産の安定化につながる可能性があります。
Sea Vegetableはその後、熊本、三重、愛媛などへ陸上生産拠点を展開しました。
黒海苔の陸上量産にも成功
青のりだけではありません。
Sea Vegetableは黒海苔(スサビノリ)の陸上栽培も研究しており、公式研究ページでは乾燥重量300kg以上の量産に世界で初めて成功したとしています。
海苔の安定生産は、日本の食文化そのものにも関係するテーマです。
同社は技術を自社だけで囲い込むのではなく、漁協・自治体・企業などと協力しながら生産モデルを広げる方針を示しています。
磯焼けとは?Sea Vegetableとの関係
Sea Vegetableの記事でよく登場する言葉が**「磯焼け」**です。
磯焼けとは、海岸付近にあった海藻が減少し、海底が岩場中心の状態になってしまう現象を指します。
海藻が減れば、海藻そのものだけではなく、そこを餌場・産卵場・隠れ家として使う生物にも影響します。
Sea Vegetableでは、減少した海藻を採取して研究し、種苗技術や栽培方法を確立するとともに、自治体や漁業者と新しい海藻産地づくりを進めています。
単なる環境保全活動ではなく、
海藻を育てる → 食材として使う → 産業にする → 継続的に生産する
という経済活動まで含めて成立させようとしているところが特徴です。
自治体とも海藻産地づくりを進めている
Sea Vegetableは全国の自治体とも実証事業を進めています。
2025年には、全国11自治体で新しい海藻栽培の実証実験を行うため、企業版ふるさと納税を活用した資金調達の仕組みを開始しました。
実証では、海域調査から始まり、
適した海藻の選定
→ 栽培試験
→ 量産試験
→ 漁業者への技術移転
→ 事業化
という段階を踏みます。
これは「海藻を植えれば終わり」という活動ではありません。
地域で継続できる産業にする
ところまで設計しています。
Sea Vegetableの商品ラインナップ
2026年9月時点の公式オンラインストアでは、Sea Vegetable独自の海藻だけでなく、食品メーカーや料理人とのコラボ商品も販売されています。
代表的な商品を整理すると次のようになります。
| 商品 | 2026年9月時点の販売価格例 |
|---|---|
| すじ青のり 原藻10g | 1,620円 |
| すじ青のり粉末 | 810円~ |
| すじ青のりふりかけ | 810円 |
| あつばアオサ | 810円~ |
| 若ひじき | 810円~ |
| とさかのり | 810円~ |
| もずく | 950円~ |
| 青のりしょうゆ | 2,500円 |
| 海藻ギフトボックス | 3,900円~ |
※価格・在庫・容量は変更される場合があります。購入時には公式ストアで最新情報をご確認ください。
すじ青のり
Sea Vegetableを代表する商品がすじ青のりです。
原藻タイプ、粉末、ふりかけなどが販売されています。
料理に振りかけるだけで使えるため、家庭では最も取り入れやすい商品でしょう。
青のりしょうゆや菓子、調味料など、すじ青のりを利用したコラボ商品も展開されています。
あつばアオサ
Sea Vegetableでは「あつばアオサ」も商品化しています。
一般的なアオサと同じように汁物などへ使うだけではなく、新しい料理への利用方法も提案されています。
乾燥海藻なので、常備しやすい点も家庭向け商品のメリットです。
若ひじき
若ひじきは、一般的な「煮物用ひじき」というイメージとは少し違います。
公式商品ページでは、国産ひじきの若芽を使い、水で約6分戻してそのままサラダなどでも食べられる商品として紹介されています。
Sea Vegetableが目指す「海の野菜」という考え方が分かりやすい商品です。
煮物だけでなく、
サラダ、麺類、吸い物などへ使える食材として提案されています。
とさかのり
とさかのりもSea Vegetableらしい商品です。
公式では水で約4分戻すと5~6倍程度になり、サラダ、ピクルス、加熱料理、さらにはデザート的な使い方まで提案されています。
「海藻=味噌汁」という固定観念とはかなり違います。
色、食感、形まで含めて一つの食材として扱っていることが分かります。
商品はどこで買える?
公式FAQでは、
公式オンラインストア
シーベジスタンド
取扱店舗
などで購入できると案内されています。店舗では取り扱い商品が時期によって異なるため、事前確認が推奨されています。
オンラインストアでは、購入額9,000円以上で送料無料になる配送条件も案内されています。
2026年、東京・八重洲に「シーベジスタンド」が誕生
Sea Vegetableは研究・通販だけの会社ではありません。
2026年3月2日、東京・八重洲/日本橋エリアに初の常設飲食店**「シーベジスタンド」**をオープンしました。
所在地は東京都中央区八重洲1丁目5-11。
東京駅八重洲北口、日本橋駅から徒歩約3分です。
オープン当初は昼に海藻ラーメン、夜には海藻料理や酒を提供するスタイルでした。
なお、2026年5月15日以降は当面、夜営業を中心とする形へ変更されているため、訪問する場合は最新の営業情報を確認してください。
海藻ラーメンも「研究」の一部
シーベジスタンドの象徴的なメニューが海藻ラーメンです。
公式インタビューでは、すじ青のり、とさかのり、若ひじきなど複数の海藻を組み合わせ、それぞれの香りや食感、熱による変化まで体験できる料理として開発されています。
Sea Vegetableにとって料理は単に商品を売る手段ではありません。
「この海藻はどうするとおいしいのか?」を研究し、食文化そのものをつくる活動
という位置づけです。
SEAVEGE- Kitchen Labとは?
シーベジスタンドの2階には、2026年3月に**「SEAVEGE- Kitchen Lab」**が開設されました。
ここでは海藻の調理・加工・発酵などを研究しています。
さらに「Open Kitchen」という体験型プログラムを通じ、一般の参加者も海藻の味や変化を体験できます。
単なる飲食店ではなく、
研究 → 料理開発 → 消費者体験
をつなぐ拠点になっています。
企業との共同開発も進めている
Sea Vegetableは食品だけに事業領域を限定していません。
2025年度に始まった**「SEA VEGETABLE Co Creation Project」**では、食品、素材、技術、流通、金融、メディア、不動産など異業種12社が参加。
2026年度には第2期の募集も始まりました。
海藻を、
食材
素材
環境技術
地域産業
など幅広い方向から活用しようとしていることが分かります。
Sea Vegetableは上場している?
2026年9月現在、合同会社シーベジタブルは未上場です。
PR TIMESの会社情報でも「上場:未上場」と記載されています。
また、現在確認できる公式情報の中に、
「IPOを予定している」
「上場準備をしている」
という発表はありません。
したがって、
「Sea Vegetableは将来上場する可能性がある」
と断定的に書くのは避けるべきです。
現在確認できる事実は、
合同会社であり、未上場である
というところまでです。
Sea Vegetableは「スタートアップ」なのか?
Sea Vegetable自身の正式社名は「合同会社シーベジタブル」です。
ただし、新しい技術や事業モデルで海藻産業の課題へ取り組む企業であり、官民共創型アクセラレーションプログラムのファイナリストにも選定されています。
また2024年には経済産業省の「J-Startup WEST」に選定されています。
その意味で、
「海藻分野のスタートアップ」
「フードテック/水産テック企業」
として紹介されるのは自然でしょう。
ただし記事では、会社自身が正式名称として「スタートアップ」と名乗っているわけではないため、
「海藻スタートアップとして注目される企業」
くらいの表現が適切です。
Sea Vegetableが注目される3つの理由
Sea Vegetableの強さは、一つの製品だけではありません。
第一に、研究から食卓までを自社でつないでいること。
海藻を採って、種苗をつくり、栽培し、加工し、販売し、料理まで考える会社は珍しい存在です。
第二に、研究対象となる海藻の種類が多いこと。
100種類以上を研究候補として保管し、30種類以上の種苗技術を確立しています。
第三に、環境課題とビジネスを分けて考えていないことです。
海藻を増やすだけでは継続しません。
販売できる商品にし、料理として食べてもらい、産地や漁業の収入につなげる。
環境と産業の両方を成立させようとしている点が特徴です。
受賞・評価も増えている
Sea Vegetableは近年、複数の賞や選定を受けています。
2024年にはJ-Startup WESTに選定。
2025年には「NIKKEIブルーオーシャン大賞」審査員特別賞などを受賞。
2026年には第1回サステナブルガストロノミーアワードのフード部門を受賞しました。
この賞では、
海藻の研究・栽培から商品化・食提案までを一気通貫で行い、海の生態系回復と新しい食文化づくりを同時に進めていること
が評価されています。
Sea Vegetableの今後で注目したい点
今後を見るうえで、単純な「売上が伸びるか」「上場するか」だけを見る必要はありません。
むしろ重要なのは、
研究技術が他の地域へどこまで広がるのか。
陸上栽培がどこまで量産化できるのか。
海藻を日常的に食べる人が増えるのか。
企業との共同開発からどんな新しい用途が生まれるのか。
という点です。
2026年には企業共創プロジェクト第2期も始まり、自治体との海藻生産実証も拡大しています。
食品会社というより、
「海藻産業そのものを広げようとしている企業」
として見ると、事業の全体像が分かりやすくなります。
よくある質問
Sea Vegetableは何の会社?
海藻の研究、種苗生産、陸上・海面栽培、加工、商品販売、料理開発、飲食などを行う合同会社です。
本社はどこ?
高知県安芸市です。
Sea Vegetableの商品はどこで買える?
公式オンラインストア、シーベジスタンド、取扱店舗などで購入できます。
上場している?
2026年9月現在は未上場です。
IPOの予定は?
公式には確認できません。上場する、しないという予測は現時点ではできません。
一番代表的な商品は?
「すじ青のり」が代表商品として知られていますが、あつばアオサ、若ひじき、とさかのり、もずく、青のりしょうゆなども展開しています。
まとめ|Sea Vegetableは「海藻を売る会社」だけではない
Sea Vegetableを一言で、
「青のりを売っている会社」
と説明すると、その事業の大部分が抜け落ちてしまいます。
Sea Vegetableは、
海藻を探す。
研究する。
種苗をつくる。
陸や海で育てる。
商品にする。
料理を研究する。
飲食店で実際に食べてもらう。
そして企業や自治体と新しい産業をつくる。
そこまでを一つにつないでいる会社です。
現在、日本の海には1,500種類以上の海藻が存在するとされますが、食材として十分知られているものは一部にすぎません。
Sea Vegetableが目指しているのは、
まだ知られていない海藻を、新しい「海の野菜」として日常の食卓へ届けること。
そして、その生産が海や地域の未来にもつながる仕組みをつくることです。
シティポップのような一過性のブームではなく、日本が長く持ってきた海藻食文化を、研究と技術によって次の時代へどうつなぐのか。
そこがSea Vegetableを見るうえで最も面白いポイントだと思います。
参考・公式情報
この記事は2026年9月時点の公式情報を中心に再構成しています。
Sea Vegetable「ABOUT US」
会社概要、沿革、代表者、全国の生産地域、事業方針を確認。
Sea Vegetable ABOUT US
Sea Vegetable「事業内容」
生産・販売、研究、飲食、企業協業などの事業構成を確認。
Sea Vegetable 事業内容
Sea Vegetable「研究開発・実証研究・海域調査」
種苗技術、研究対象海藻、陸上・海面栽培等を確認。
Sea Vegetable 研究開発
Sea Vegetable公式オンラインストア
2026年9月時点の商品ラインナップ・価格を確認。
Sea Vegetable PRODUCTS
Sea Vegetable「シーベジスタンド」
2026年3月開業の常設店舗情報を確認。
シーベジスタンド情報
Sea Vegetable「SEAVEGE- Kitchen Lab」
料理・加工・発酵研究とOpen Kitchenについて確認。